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再録記事タイトル一覧

 投稿者:管理人補佐  投稿日:2015年11月25日(水)23時40分45秒
編集済
  旧掲示板の「リスト表示」に代わるものとして再録記事タイトル一覧を用意しました。
ブラウザーに表示されているこの掲示板のURLの末尾に半角で
    /[記事番号]
を入力しEnterキーを押すと、その記事に直接移動できます。No.1 の例を参考にしてお試しください。

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1  「スペイン語の広場」再録  →  http://6226.teacup.com/supeingonohiroba/bbs/1
2  ウノから聞きました!
3  ラジオ講座のテーマ音楽 ~ ゲストの発音・抑揚
4  辞書のカナ発音表記 & tambie'n の位置
5  『mi casa』『mi piso』はダメ?
6  カフェレーチェ? ~ 略語・外来語
7  rr の発音
8  不規則動詞? ~ tan~er
9  de veras
10  ser と estar

11  www. の読み方
12  初心者用テキスト
13  ラジオ講座4・5月号拝読しました ~ 中南米のスペイン語
14  ラジオ講座ステップ32 restauranteの支払い
15  ウベドブレとドブレヴェー
16  今日の放送で ~ 文の練習方法
17  スペイン語からの外来語
18  スペイン映画の字幕
19  質問2つ llevarとman~ana
20  man~ana por la man~ana

21  「いっしょに行こうか?/来る?」
22  …??no? と …??verdad?の違い
23  しかし
24  『dime』
25  Uno con leche
26  今日の放送で ~ alguien と nadie
27  ??Quieres・・・? の見分け方
28  『comer』と『tomar』の使い分け
29  -se と -ra
30  8月号が届きました ~ 接続法を習うタイミング

31  婉曲な表現について
32  スペイン語?イタリア語? ~ 同時に始めてみたけれど
33  「おつかれさまでした」
34  辞書について教えてください
35  スペイン語に決めました! ~ 逆さまの符号
36  びっくりマーク!
37  PALACEとPARA SE
38  南米の「君たち」について
39  デュエット
40  この木なんの木

41  “なになに”って何?
42  時差の話し ~ 否定疑問文への答え方
43  絵本とかペーパーバックとか
44  話法
45  gustar 固有名詞の場合
46  u と a が続く場合の読み方、言い方
47  アメリカ大陸からスペインへ輸出されたスペイン語
48  語順が??? ~ 弱勢代名詞
49  キューバ人に「ヒジ」の発音を説明するには?
50  おもしろい成句

51  スペイン語の発声について
52  日本語の発音をスペイン語表記するには?
53  ?スペイン語の疑問符?
54  Mientras ma's lo pienso...
55  対照表は大文字か小文字か
56  英語学習との両立について
57  スペイン語の基礎文法って?
58  今週のスペイン語表現
59  Don Ramo'n の発音
60  文法の参考書

61  新緑に決意新た ~ yo a vosotros
62  ディエレシスからの疑問
63  スペイン語以外の言語と同時学習は可能か
64  昔々・・・のeraseについて
65  DE LO QUEについて
66  どのように会話練習していますか?
67  タブー ~ 口にすべきでない表現
68  小数点とコンマ
69  現在完了と点過去
70  冠詞 ~ 名詞の単複

71  冠詞は難しい
72  "se"
73  単語の覚え方 ~ 語源と語呂合わせ
74  西検の和訳問題 ~ suponer の意味
75  歯科アイテムでの発音指導
76  "le" か "les" か
77  点過去と線過去
78  動詞serの点過去と線過去
79  CDとラジオ放送 ~ 講座の内容の違い
80  発音練習

81  語根母音変化動詞
82  NHKラジオ講座ステップ92 ~ 単数・複数
83  Real Academiaのオンライン辞書
84  ドアの表示
85  正字法についての質問
86  はじめての西会話
87  「フリーマーケット」
88  Pablo Neruda
89  「高校」のスペイン語訳
90  無冠詞の主語

91  現在完了形と過去
92  スペイン語での存在文
93  歩きながらの挨拶
94  スペイン語の学習
95  学習法のアドバイス
96  venirと volver
97  スペインの諺? ~ Living well is the best revenge
98  スペイン語学校のクラス分け
99  スペイン語を忘れないために
100  スペイン語のウナギ文

101  caso congelado?
102  estar terminando
103  キューバで聞いた発音
104  b/d/gの発音 & ll の悩み
105  スペイン語の人名表記
106  ll と y の発音
107  「雪国」の冒頭の翻訳
108  日本語の「ヤ行」をスペイン語話者に教えるには
109  ラジオスペイン語講座の学習方法
110  al+不定詞

111  スペイン語講座に対するウェブ上での評価について
112  動詞の活用の調べ方
113  接続詞 cuando
114  小説の会話の後の主語後置
115  スペイン語の曖昧文
116  serとestar
117  スペイン語は日本語に似ている?
118  スペイン語とポルトガル語の違い
119  c, z と s の発音
120  despue's de que

121  otro と demas
122  現在分詞(や、それをもちいた迂言形)の軽蔑的意味効果
123  アンダルシア弁について
124  ベネズエラのスペイン語
125  Aumentarla の発音
126  muchachosの発音
127  ?para beber?の発音
128  Se puede + 不定詞 + 直接目的語
129  母音の時の舌の形
130  L-Rのつながり

131  母音縮小化現象
132  アクセント
133  季節を言う順番
134  「なかなか来なかった」は線過去?
135  日本人が苦労するスペイン語文法
136  自由について
137  動詞+se+las
138  新聞見出しの解釈 El Comercio 26/Feb/2014
139  新聞見出しの解釈 Gesti'on 28/Abr/2014
140  新聞見出しの解釈 El Comercio 13/May/2014

141  線過去について
142  lo que pasa es que...
143  東外大文法モジュールより ~ 無強勢人称代名詞の順序
144  与格人称代名詞について
145  文法用語の統一
146  間接目的語の重複について
147  desear, querer等+que+名詞節
 
 

desear, querer等+que+名詞節

 投稿者:管理人補佐  投稿日:2015年11月13日(金)21時21分32秒
編集済
  投稿時間:2015/04/08(Wed) 02:31
投稿者名:平社員
タイトル:desear, querer等+que+名詞節

    願望や期待(desear等)の際の目的語となる「que+名詞節」の、名詞節中の文法について混乱してしまい、ご教示をいただきたく投稿させていただきます。
    昨日、病気で休んでいる当社の社員に、「早く良くなりますように」ということで"Deseo que te recuperes pronto."というメッセージを出しました。
    この、名詞節中の動詞recuperarの動作主体を示すteは、間接目的格人称代名詞と考えて良いでしょうか?




投稿時間:2015/04/08(Wed) 13:24
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re: desear, querer等+que+名詞節

    これは「desear que + 名詞節」の問題というよりは、recuperarse(回復する)の中の再帰代名詞 se が直接目的格か間接目的格かという問題ですね。

    結論を申しますと、この再帰代名詞(ご質問の文中では te)の格は直接目的格です。

    ただし、一般に再帰代名詞が直接か間接かということはあまりはっきりとは決められませんし、どちらでも実用上は問題ないというのが正直なところです。直接であろうが間接であろうが me, te, se, nos, os, se で変わりませんので。

    ではなぜ Deseo que te recuperes pronto. の te が直接と言えるかと言いますと、もともと recuperar が他動詞で直接目的語を必要とするからです。

    再帰でない recuperar は「・・・を回復する、取り戻す」という意味で、recuperar el dinero「お金を取り戻す」、recuperar la salud「健康を回復する」などのように使います。これらの el dinero, la salud が直接目的語であることは疑いのないことだと思います。

    再帰動詞の recuperarse も同様に「自分自身(の健康)を取り戻す」と考えれば、この「自分自身を」は直接目的語ですね。

    以下は余談です。
    再帰代名詞が間接目的語になるときは、その他に直接目的語がある場合が多いです。
    典型的な例は Me lavo las manos.「私は手を洗う」です。この文の lavar「洗う」の直接目的語は las manos「手」ですから、me は間接目的語と考えざるを得ません。




投稿時間:2015/04/08(Wed) 13:52
投稿者名:平社員
タイトル:Re^2: desear, querer等+que+名詞節

    木村先生
     ありがとうございます。
     恥ずかしながら、再帰動詞recuperarseであるとは思っておらず、こういう名詞節の中では、recuperarの意味上の主語を目的格代名詞で表すのか、と、勘違いしていました。recuperarを辞書で調べておくべきでした。
     再帰代名詞の考え方についても、よくわかりました。

     動詞の前に目的格人称代名詞が来ると、これが再帰代名詞seが変化したものなのか、あるいはその動詞の本当の目的語なのか、しばしば迷ってしまいます。まだまだ学習が足りないと、痛感しました。
     重ねまして、ありがとうございました。




投稿時間:2015/04/08(Wed) 22:01
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re^3: desear, querer等+que+名詞節

    動詞の活用形の前に目的格人称代名詞が来た場合、それが再帰なのか非再帰なのかを見分けるのは、ほとんどの場合簡単です。
    その代名詞の人称・数が動詞の人称・数と同じならば再帰、異なっていたら非再帰です。

    Te recuperes の場合、te は2人称単数、recuperes も2人称単数ですから、te は再帰代名詞。
    それに対して、たとえば Espero que te devuelvan pronto el dinero.「早くお金を返してもらえるといいね。」でしたら、 te が2人称単数なのに対して devuelvan は3人称複数ですから、非再帰(ここでは間接目的格)です。

    残念ながら直説法線過去と接続法の全時制では1人称単数と3人称単数が同形なので、意味を考えないとどちらなのか判別できないことがありますが・・・

    ご参考になれば幸いです。




投稿時間:2015/04/09(Thu) 01:51
投稿者名:平社員
タイトル:Re^4: desear, querer等+que+名詞節

    木村先生、ありがとうございます。
    なるほど、そう考えればいいんですね。頭がすっきりしました。

    さっそく今日の新聞を探したところ、"Humala se la juega por Ti'a Mari'a"という見出しがありました。seとjuegaがともに3人称単数なので、seは再帰代名詞であり、動詞はjugarse=賭ける、と理解できました。laは、Ti'a Mari'aを受けているものと理解しました。(ティア・マリアは、現在、反対運動によって頓挫しかかっているペルーの大規模鉱山プロジェクトです。)
    「ティア・マリアに賭けるウマラ大統領」という感じかと思いますが、正しいでしょうか?

    記事内容は、ウマラ大統領が、ティア・マリア鉱山プロジェクトの再開に向けて、反対派の制圧等に乗り出していく、という趣旨のものでした。




投稿時間:2015/04/16(Thu) 17:42
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re^5: desear, querer等+que+名詞節

    ご紹介の記事見出しの日本語訳としては「ティア・マリアに賭けるウマラ大統領」で良いと思いますが、ここに出てくる juga'rsela の la は Ti'a Mari'a を指しているのではありません。Por Ti'a Mari'a と por がついているので、これは直接目的語ではあり得ません。

    この juga'rsela は「命を懸ける、自分を危険にさらす」という意味です。La が何を指しているかは不明ですが、la vida という語が頭をかすめます。

    ・・・と思って、念のためにいくつかの辞書を調べてみたのですが、日本で出ている西和辞典にも権威ある西西辞典にも、この意味が出ていませんね。

    西和辞典4種と西西辞典3種を見ましたが、juga'rsela の意味としては「人をひどい目に遭わせる」とか「人に対して悪意を持ってふるまう」などということしか書いてありません。

    ちょっと不安になり、この記事を印刷してスペイン人の同僚に読んでもらったところ、「この juga'rsela は arriesgarse と同じで、ここでは大統領としての自分の地位や国民からの支持を失う危険を冒しても鉱山の計画を推進しようとしているということだ」と即答しました。そして「こういう意味の juga'rsela は非常によく使われる」と言い、私が「辞書にその意味が載っていない」と言うと不思議がっていました。

    まだまだ辞書には改良の余地がありますね。勉強になりました。自分の最初の読みが正しかったという点では、ホッとしましたけれども。




投稿時間:2015/04/16(Thu) 23:16
投稿者名:平社員
タイトル:Re^6: desear, querer等+que+名詞節

    基本的な品詞分解ができておらず残念な結果でしたが、とても勉強になりました。これからも頑張ります。
    こういった、具体的に何を指すのかはわからないけれど必要な代名詞があるのですね。
    複数の辞書を調べていただき、また、同僚の先生にも確認いただくなど、感謝に堪えません。ありがとうございました。
 

間接目的語の重複について

 投稿者:管理人補佐  投稿日:2015年11月13日(金)21時17分12秒
編集済
  投稿時間:2015/01/07(Wed) 23:08
投稿者名:平社員
タイトル:新年おめでとうございます

    先日Amazonで、王立アカデミー編のスペイン語文法書(Ba'sica)を購入してみました。文字の小ささ・内容の多さに、既に読むことをギブアップ気味(所有するだけで満足)ですが、少しずつマイペースで頑張って行きたいと思います。AR、ER、IRの規則動詞の代表が「amar」「temer」「partir」という、日本の文法書ではまず見かけないであろう組み合わせであったのが面白かったです。




投稿時間:2015/01/21(Wed) 16:26
投稿者名:木村琢也
タイトル:間接目的語の重複について

    王立アカデミーの文法書を購入なさったとのこと、その熱心さに頭が下がります。
    私は商売柄、大中小すべて買って持ってはおりますが、必要なときにちょっと見るということぐらいしかしておりません。
    文法教師としては、Ba'sicoぐらいは通読してしかるべきですね。

    さて、間接目的語の重複について、規範的な規則を一つお示しします。すでにご存じだったら申し訳ありません。

    (「間接目的格」と「与格」は同じことですが、現在では英文法と同じ用語を使えるときには使うという傾向が広まっておりますので、以下では「間接目的語」と呼ぶことにします。)

    【原則】動詞の後に間接目的語が置かれる場合、つまり「動詞 + a + 間接目的語」となる場合、その間接目的語と重複する無強勢人称代名詞を動詞の前に置いても置かなくてもよい。

    例:○ Le doy este libro a mi amigo. / ○ Doy este libro a mi amigo.
    ○ Le regale' un ramo de rosas a Carmen. / ○ Regale' un ramo de rosas a Carmen.

    【例外則】ただし、その間接目的語が名詞(上の例の mi amigo や Carmen)ではなく前置詞格人称代名詞(mi', ti, e'l, etc.)の場合には、それと重複する無強勢人称代名詞を置くのが望ましい。特に1,2人称のときは必ず置く。

    例:○ Le mande' mi foto a ella. / △ Mande' mi foto a ella.
      ○ Te digo la verdad a ti. / × Digo la verdad a ti.

    細かいことで、これに違反しても突然意味が通じなくなるようなことはありませんが、いちおうネイティブたちはこういう暗黙の規則を持っているようです。
    あまりこの規則をはっきりと書いている本を見かけないので、ここに記しておくことにいたします。

    ご参考になれば幸いです。




投稿時間:2015/01/24(Sat) 02:10
投稿者名:平社員
タイトル:Re: 間接目的語の重複について

    木村先生
     お忙しい中、間接目的語についての明解なまとめをしてくださいましてありがとうございます。
     目的語(間接/直接)の重複については、外語大の文法モジュールでも勉強してきましたが、先生の書かれた例外則の最後の「特に1人称、2人称のときは必ず置く」という部分は書かれていなかったように思います。貴重なご教示、ありがとうございました。
     歴史の中で、徐々にこのようなルールが作られてきたのだと思いますが、本当に面白いことだと思います。
 

文法用語の統一

 投稿者:管理人補佐  投稿日:2015年11月13日(金)21時14分34秒
  投稿時間:2014/11/16(Sun) 14:32
投稿者名:平社員
タイトル:文法用語の統一

     学習を進める中で,数冊の文法書を入手しましたが,気になるのは,文法用語の不統一です。以下などが典型的な例かと思いますが,文法書(著者)により,バラバラの状態です。
     ・無人称文と不定人称文
     ・単人称文と無主語文
     それぞれの先生方に,それぞれのご主張があるものとは思いますが,私を含め多くの学習者にとっては学習の障害になってしまいます。できれば同じ文法内容は同じ用語で指し示してもらいたいものです。
     お伺いしたいのは,現在スペイン語の学会等においては,こういった用語を統一しようという動きはあるのでしょうか,ということです。(あってほしいと思います)
     大変お忙しいことと存じますが,お手すきの際に先生のご見解を伺えたらうれしいです。




投稿時間:2014/11/16(Sun) 22:07
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re: 文法用語の統一

    おっしゃるとおり文法用語が不統一ですね。
    学習者にとって迷惑な話なのですが、これもおっしゃるとおりそれぞれの先生にそれぞれの主張・考えがあり、それを曲げて他の著者と同じ文法用語を使おうという先生はあまりいないと思われます。

    従って、学会で用語を統一しようという動きもありません。
    (私が知らない遠い昔にそのような試みがあったけれども、結局うまく行かずにその後は統一しようという意見そのものが出なくなったと聞いたことがあります。)

    一人一人の著者は「この用語が学習者に正しく理解してもらうために最も適切だ」と考えて書いているはずですので、そこをお汲みいただき、「これとこれは用語が違うけれども同じ概念だ」と割り切って学習を進めていただければ幸いです。

    ただし、例としてお出しになった

    > ・無人称文と不定人称文
    > ・単人称文と無主語文

    というのは、用語だけでなく概念そのものが異なる可能性がある例外的なケースです。
    (私も「不定主語文」などという用語をでっち上げて混乱に拍車をかけております。すみません。)
    しかし、ざっくりと言ってしまえばどれもだいたい同じものを指していますので、あまり気になさらないのが良いかと思います。

    どうしても納得が行かないというような説明がありましたら、また個別にお尋ねいただけますでしょうか。




投稿時間:2014/11/17(Mon) 14:51
投稿者名:平社員
タイトル:Re^2: 文法用語の統一

    木村先生,お忙しいなか,早速のご回答をありがとうございました。なるほど,統一しようという動きも,かつてあったことはあったのですね。
    それぞれの参考書の著者の意図を考え(楽しみ)ながら,勉強を進めてまいりたいと思います。
 

与格人称代名詞について

 投稿者:管理人補佐  投稿日:2015年11月13日(金)21時07分7秒
編集済
  投稿時間:2014/10/17(Fri) 00:32
投稿者名:平社員
タイトル:与格人称代名詞について

    スペイン語初級者として、動詞の活用や、接続法の使い方、また、再帰動詞の扱いといったこととともに、与格人称代名詞を用いた構文をどう克服するかが課題と感じています。
    英語を学んできた者からすると、与格人称代名詞に、これほどの多彩かつ重要な役割を持たせるスペイン語が大変面白く思えるのですが、与格人称代名詞がこうした多岐に亘る機能を担うようになった理由や歴史について、お教えいただければと思います。




投稿時間:2014/10/17(Fri) 01:17
投稿者名:平社員
タイトル:(補足)与格人称代名詞について

    補足しますと、私にとって与格人称代名詞の機能が多彩だと感じられるのは以下のような点です。「全部、主格人称代名詞で表現してくれればよいのに」と思いつつ、勉強しています。
    再帰動詞と混乱してしまうことも多く、悩みのたねとなっておりますが、少しずつ混乱を整理していきたいと思っております。
    ・いわゆる通常の「~に」という意味に加えて...
    ・Me gusutaなどのgustar型の動詞の構文
    ・Se me rompi`o el plato.のような構文(被害者を表す?)
    ・間接目的語の重複(なぜ、またどういうときに重複させるのか)




投稿時間:2014/10/17(Fri) 12:02
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re: 与格人称代名詞について

    おっしゃる通り、与格の表す意味範囲は多岐に亘りますし、再帰と非再帰の見分けが難しいこともありますね。
    この事情はスペイン語だけの話ではないのですが、確かに初学者にとって難しい点の一つだと思います。

    さて、「多岐に亘る機能を担うようになった理由や歴史」というのは、なかなかお答えの難しいご質問です。
    特に歴史的な事情については、きちんと調べてからでないと間違ったことを答えてしまう危険性が大です。

    現在ちょっと仕事が取り込んでおりますので、すぐにお答えすることができません。
    時間を見つけて、少しずつ小出しにここに書いていこうと思いますので、ときどきご確認いただけますでしょうか。




投稿時間:2014/10/17(Fri) 13:03
投稿者名:平社員
タイトル:Re^2: 与格人称代名詞について

    木村先生
    ご多忙のところ,早速のお答えありがとうございます。
    はい,もちろんです。楽しみにご記載を待たせていただきます。
    それまでに,先生の書かれることを理解できるよう,自分なりに勉強を進めておくようにいたします。




投稿時間:2014/10/23(Thu) 11:17
投稿者名:木村琢也
タイトル:与格人称代名詞の語形の変遷

    放置していてすみません。与格(間接目的格)人称代名詞について、思いつくままに少しずつ書いていきます。

    まず語形の歴史的変遷から。

    ラテン語では対格(直接目的格)の「彼を」「彼女を」はそれぞれ illu, illa と言い、それが現代スペイン語の lo, la になりました。
    与格の「彼/彼女に」は illi で、これがスペイン語の le の語源です。
    「彼・彼女」のように人間だけでなく、それぞれ物を指す男性名詞・女性名詞にも同じ代名詞が使われました。スペイン語と同じ理屈です。

    与格と対格が並んだ「彼/彼女に彼を」「彼/彼女に彼女を」は、それぞれラテン語からスペイン語まで、以下のような変遷をたどったと考えられています。

    illi illu > elielo > λelo「リェロ」 > ge lo「ジェロ」 > se lo
    illi illa > eliela > λela「リェラ」 > ge la「ジェラ」 > se la

    一方、再帰代名詞はラテン語でも se だったものがそのままスペイン語になってしまったので、現代スペイン語で le, les が対格人称代名詞の前に来たときに取る se という語形と再帰代名詞の se とは元来まったく異なるものです。




投稿時間:2014/10/23(Thu) 11:49
投稿者名:木村琢也
タイトル:利害の与格

    続いて、いわゆる「利害の与格(dativo de intere's)」について。

    スペイン語では、行為または出来事がある人に利益または損害を与える場合、その人を与格代名詞で示して添えることがよくあります。

    「(自分の)髪をとかす」を peinarse と言うので、「カルメンは(自分の)髪をとかす」は

    Carmen se peina el pelo.

    となることをご存じだと思います。

    自分の髪ではなく、他人の髪をとかしてあげるときにはどうなるでしょうか。
    「カルメンは娘の髪をとかしてやる」という日本語をスペイン語に直訳すると

    ×Carmen peina el pelo de su hija.

    となりそうですが、これはスペイン語としてはダメな文です。正しくは

    Carmen le peina el pelo a su hija.

    と言います。「娘"の"髪をとかす」ではなく、「娘"に"髪をとかす」と言うわけですね。
    (le と a su hija が重複していますが、重複の話はまた次の機会に。)

    最初の例文の se peina の se も、ここでは「彼女自身に」という意味の与格の再帰代名詞です。

    ただ、この程度ではまだ「利害の与格」には含めないのが普通です。
    典型的な利害の与格は次のようなものです。

    Se le murio' el marido el an~o pasado.

    これを日本語に訳すならば「彼女は去年夫に死なれた」とするのが最も適切だと思います。
    文法上の主語は el marido、動詞は se murio' ですが、se と murio' の間に挟まっている le が「彼女に」を意味する利害の与格です。

    「去年夫が死んだ」という事実が「彼女」に利害(おそらくは大きな心理的ダメージ)を与えている、ということが、この le で表現されているわけです。

    一方、日本語には「迷惑の受け身」というもの(例:「雨に降られた」、「隣でいびきをかかれた」)があり、上記のスペイン語の文のニュアンスを日本語に移そうとするときにこの「迷惑の受け身」が使えます。それで「彼女は去年夫に死なれた」という訳文ができるわけです。
    (夫が死んだことを「迷惑」と言ってしまうのもどうかと思いますが、これは文法用語ですので割り切って考えましょう。)

    最後に、私が出会った感動的な「利害の与格」の実例をひとつ。

    もう10年以上前のことだと思いますが、バルセロナのホテルにチェックインしたときのことです。
    フロントの女性と一通りのやり取りを終え、部屋の鍵を渡してもらった直後、フロントの電話が鳴って、その女性が電話を取って話し始め、私へのアテンドをやめてしまいました。
    私が、自分のスーツケースを指さして、通話中の女性に

    ??Y mi maleta?

    と尋ねると、彼女は一瞬だけ口を受話器から遠ざけ、こちらに向かって早口で

    Ya se la subo.

    と言ったかと思うと、ふたたび電話に集中しました。

    この Ya se la subo. の意味がおわかりでしょうか。

    この場合の ya は「すでに」ではなく「もうすぐ」という意味でスペインの話し言葉ではよく使われます。
    ですので、 Ya se la subo. を一語ずつ直訳すると「もうすぐ、あなたに(=a Ud.)、それを、私は上げます」となります。

    日本なら「すぐにお部屋にお持ちします」とでも言うところでしょう。
    Subir「上げる」という動詞を使うのは、客室がフロントよりも高い階にあるからですね。

    実際に客室前までスーツケースを持って来てくれたのはその女性ではなく、別の男性だったような気がしますが。

    ちょっと感動した「利害の与格」の用例でした。




投稿時間:2014/10/23(Thu) 12:29
投稿者名:平社員
タイトル:解説をありがとうございます

    木村先生
     ご多忙の中,一介のスペイン語学習者にこのような丁寧な解説をいただき,心を打たれました。ありがとうございます。
     語形の変遷については,後世の人間の利便のために,再起のseと目的格のseは区別しておいて欲しかったですが,仕方ないですね。両方のseに親しみが湧きました。
     利害の与格についても,「髪をとかす」というわかりやすい例を挙げていただき理解が進みました。目的格人称代名詞のもつ性質を「よくわからず面倒」ではなく,先生が最後に書かれたエピソードのような,与格のもつ微妙なニュアンスを楽しめるようになれればと思います。
     おわりに,前回の質問の際に先生が参考図書として挙げてくださった上智の西村君代先生の文法書を日本から入手し,今,勉強しています。内容の緻密さと,語り口の柔らかさのバランスが絶妙で,これは良い本に巡り会えたと嬉しく感じております。ご紹介してくださったことに感謝申し上げます。
 

東外大文法モジュールより ~ 無強勢人称代名詞の順序

 投稿者:管理人補佐  投稿日:2015年11月13日(金)21時03分56秒
編集済
  投稿時間:2014/09/04(Thu) 03:58
投稿者名:平社員
タイトル:東外大文法モジュールより

    東京外国語大学のスペイン語文法モジュールで自習しています。

    http://www.coelang.tufs.ac.jp/modules/es/gmod/

    こちらのLesson13のStep2/4「再帰代名詞」の項で、以下の記載がありました。

    (以下引用)
    目的格代名詞と再帰代名詞の語順
     複数の代名詞が並ぶときには,次のような順番を守らなければいけません.

    ・間接目的格+直接目的格
    ・se + 2人称 + 1人称 + 3人称(seは再帰代名詞と le, les が変化したもの両方に当てはまります)

    te me le/les
    se + + +
    os nos lo/la/los/las

     例えば,「君は彼に私を紹介した」のつもりで×Le me presentaste とは言えません.
    (引用終わり)

    この最後に記載された「君は彼に私を紹介した」という文章の訳"Le me presentaste."が、なぜ誤りなのかが理解できませんでした。
    (記載のルール通り「彼に(間接目的)=Le」「私を(直接目的)=me」の順に並んでいるのになぜ?)
    恐れ入りますが、この解説をいただけましたらと思います。よろしくお願い申し上げます。




投稿時間:2014/09/04(Thu) 04:02
投稿者名:平社員
タイトル:(お詫び)東外大文法モジュールより

    (お詫び)
     引用文中段の、代名詞の並び方のルールを図示した部分(te me le/les....)が、意図したとおりに表示されませんでした。申し訳ありません。
     東外大のウェブサイトをご覧いただければ幸いです。




投稿時間:2014/09/07(Sun) 16:27
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re: 東外大文法モジュールより

    Le me presentaste が誤りであることは確かです。
    スペイン語は比較的語順が自由な言語なのですが、なぜか無強勢人称代名詞の順序だけは厳格に決まっていて、le me という順序に並ぶことは絶対にありません。

    ただ、どういう理屈によって特定の順序が許されて他が許されないのかについては、なかなか一つのルールだけでスッキリと説明する方法がないのが実態です。

    現在では、ご紹介くださった東京外国語大学のスペイン語文法モジュールのように

    > ・間接目的格+直接目的格
    > ・se + 2人称 + 1人称 + 3人称(seは再帰代名詞と le, les が変化したもの両方に当てはまります)

    という説明がなされるのが普通です。

    でも、この2つの規則が互いに矛盾するケースがあり、「彼に私を」というのはまさにその矛盾するケースに当たります。
    1つ目の規則に従えば le me、2つ目の規則に従えば me le になってしまいますね。

    こういうときは、もう無強勢代名詞を2つ並べるのをやめて、間接目的語の「彼に」のほうを a e'l として動詞の後に置くのが無難です。
    結局 Me presentaste a e'l. となります。

    以上の説明には、西村君代先生の新著、『中級スペイン語読みとく文法』(白水社)p.63 を参考にさせていただきました。

    (なお、現実には間接と直接を入れ替えて Me lo presentaste. と言ってしまう場面にもよく出会います。
     これでは「彼を私に紹介した」になってしまいますが、「彼に私を」でも「彼を私に」でもそう変わらないじゃないか、という理屈のようです。)




投稿時間:2014/09/08(Mon) 13:23
投稿者名:平社員
タイトル:Re^2: 東外大文法モジュールより

    木村先生,ご回答をありがとうございました。
    なるほど,規則の1つ目と2つ目は両方守らねばならず,また,この例のように,「あちらを立てればこちらが立たず」で両方を同時に守れない場合はa+e'lのように捌く,ということだったのですね。明確になりました。(できればモジュールの方にも,このような解説が書いてあるとありがたいですね。)

    先生からご回答をいただくまでの間,自分でも調べてみようと思い,例のごとく当社の社員に尋ねたところ,当然ながら「Le me...」は言下に否定され,先生のご指摘の「Me lo presentaste.」が回答として出てきました。「それじゃ,”私に彼を”になっちゃうよ」と言ったらあまりピンと来ていないようでしたので,おっしゃるとおり「そう変わらない」ということなのかも知れません。

    重ねまして,ありがとうございました。




投稿時間:2014/09/09(Tue) 11:53
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re^3: 東外大文法モジュールより

    おっしゃる通り、モジュールの説明はちょっと言葉が足りない感じがしますね。

    現地の方も Me lo presentaste. とおっしゃいましたか。なんとなくうれしくなってしまいます。
    ご報告ありがとうございます。
 

lo que pasa es que...

 投稿者:管理人補佐  投稿日:2015年11月13日(金)21時01分26秒
編集済
  投稿時間:2014/08/30(Sat) 07:51
投稿者名:平社員
タイトル:lo que pasa es que...

    ネイティブの会話を聞いていると「lo que pasa es que」とか「lo que pasa que」というフレーズをよく耳にします。
    lo que pasa (= 今話題に出たことは) es que~ (= ~です)
    と解釈し「というのはですね、...」といった意味かと思いつつ聞いています。

    とはいえ、あまりにも頻繁に出てくるので、スペイン語の母語話者がこのフレーズを使う場合というのは、大した意味を込めている訳ではなくちょっとした口癖なのかな、とも思いつつ聞いておりますが、この「~, lo que pasa es que~」というフレーズについての先生の見解をお聞かせいただければと存じます。

    ご多忙のところ、恐れ入ります。
    (このpasarという動詞の意味の広さにも、いつも戸惑っております。)




投稿時間:2014/08/31(Sun) 12:04
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re: lo que pasa es que...

    お尋ねの lo que pasa es que ~ ですが、まず理屈を申し上げますと、ここでの pasar は「(出来事が)起きる、生じる」という意味で、あえて直訳すると「起きていることは ~ ということです」という仕組になっています。

    この lo que pasa es que、私は日本語の「実は~(なんです)」と同じノリでよく使っています。
    このフレーズは時間稼ぎにとても便利、つまり「lo que pasa es ケーー・・・」と言いながら次に言うことを考える、ということができるので、私などもつい使いすぎてしまう傾向があり、反省することがあります。

    でも、ネイティブの中にもこれがほとんと口癖になっている人もいますね。

    ですから

    > あまりにも頻繁に出てくるので、スペイン語の母語話者がこのフレーズを使う場合というのは、大した意味を込めている訳ではなくちょっとした口癖なのかな、とも思いつつ聞いておりますが、

    という平社員さんの見解は大正解と言ってよいと思います。

    ひとつだけ、発音の面でおもしろいと思ったのは、平社員さんが

    > 「lo que pasa es que」とか「lo que pasa que」というフレーズ

    と書いていらっしゃることです。
    Es のない lo que pasa que は意味を成しませんので、ネイティブの人たちも必ず lo que pasa es que と言っているはずなのですが、私たちが聞くとまるで es を言っていないように聞こえることは確かにあります。
    Pasa の最後の a と es の e がつながると e の発音が非常に短くなり、さらに es の s も、直後に他の子音(この場合は que の [k])が続くと [h] のような発音になったり、完全に消えてしまったりすることさえありますので。

    でも、よーく聞くと、きっと「ロケパサッケ」のように「ッ」がはいったような発音になっていることが多いのではないでしょうか。

    すみません。後半は勝手にマニアックになってしまいました。




投稿時間:2014/08/31(Sun) 13:45
投稿者名:平社員
タイトル:Re^2: lo que pasa es que...

    木村先生,ご返信ありがとうございます。

    意味・用法についてよく理解できました。ちょっとネイティブっぽくてカッコいいので,私も社員と話す時に使ってみようと思います。

    また,後半に解説いただいた,esが無いパターンは,「esを省略する人もいるのかな」などと誤解しながら聴いていました。今度は気をつけて聴いてみたいと思います。

    話題と離れますが,例えばmismoが[mimmo]のように聞こえる社員が多いような気がします。[mismo]と聞こえたことはあまりありません。また,llの発音も,人によって,また単語によってジョに近い場合とヨに近い場合があり,面白いなあと思って聴いています。




投稿時間:2014/09/01(Mon) 14:01
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re^3: lo que pasa es que...

    手前味噌ですが、当サイトの「スペイン語発音ピンポイントレッスン 第6回」
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~ktakuya/pronun06.htm

    の「6.2 音節末子音」の「6.2.2 区別のあいまい化」の中の「(4)その他いろいろ」に
    mismo の s が音節末子音であるために「(ア)「濁る」、または (イ)消えて代わりに次の m が長めに発音される ことがある」と書きました。

    平社員さんご指摘の [mimmo] はこの(イ)に該当しますね。
    ペルーでも聞かれる現象であるという証言をいただき、とても興味深く、うれしくなりました。

    Ll(および y )についても「第2回」
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~ktakuya/pronun02.htm
    の「2.3 y (ll)」で取り上げていますが、これがヤ行に聞こえたりジャ行に聞こえたりする現象については、これからもっと研究を深めたいと思っているところです。

    なんだか、ほとんど自サイトの宣伝になってしまいました。すみません。




投稿時間:2014/09/01(Mon) 15:48
投稿者名:平社員
タイトル:Re^4: lo que pasa es que...

    解説ならびに先生のサイトのご紹介,ありがとうございます。
    いずれも先生の「お釈迦様の手の上」でした。大変勉強になりました。
    こちらのサイトでも,じっくり学習させていただきたいと思います。

    私にとっては未だにrとlとの区別が難関であり,なかなか違いが出し切れません。例えば,alrededorという単語がありますが,あのようにl+rと続かれるとほとんどお手上げです。
    ネイティブの中で練習できる幸せ(?)を感じつつ,今後も努力していきたいと思います。
 

線過去について

 投稿者:管理人補佐  投稿日:2015年11月13日(金)20時57分40秒
  投稿時間:2014/06/11(Wed) 22:11
投稿者名:水色
タイトル:線過去について

    こんにちは。
    スペイン語を勉強していますが、線過去についてわからないことがあるので質問させてください。

    Antes habi'a muchos a'rboles en este parque.

    この文は「以前この公園にはたくさんの木があった。」というものですよね。
    ということは主語は「たくさんの木」で、動詞はhabi'aではなくhabi'anになるはずだと思うのですが、どうしてそうならないのかわかりません。




投稿時間:2014/06/12(Thu) 11:25
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re: 線過去について

    水色さん、いらっしゃいませ。

    ご質問の件のポイントは、実は線過去ではなく、haber を用いた存在文の独特の構文にあります。

    まず現在で考えてみましょう。
    「(a) 今この公園には1本の木がある。(b) 今この公園にはたくさんの木がある。」をスペイン語にすると、
    (a) Ahora hay un a'rbol en este parque. (b) Ahora hay muchos a'rboles en este parque.
    となりますね。「木が1本でも複数でも、hay は hay のまま変わらない」ということを水色さんも習われたことがあると思います。

    この hay という語形、実は haber という動詞の直説法現在3人称単数形です。

    ではなぜ、木が1本でも複数でも動詞は3人称単数形を使い、複数形にならないのでしょうか。
    それは、「木」が主語ではないからです。

    Haber を用いる存在文は、主語のない「無主語文」です。
    主語がない場合、動詞は3人称単数形になります。Llueve.(雨が降る。)とか Hace viento.(風が吹く)なども同類です。

    水色さんが提示してくださった文は、たまたま時制が現在ではなく線過去になっているだけで、同じく無主語文ですから動詞は必ず3人称単数形を用います。
    「(c) 以前この公園には1本の木があった。(d) 以前この公園にはたくさんの木があった。」はいずれも habi'a を使って
    (c) Antes habi'a un a'rbol en este parque. (d) Antes habi'a muchos a'rboles en este parque.
    となります。

    他の時制や法でも同じことです。
    直説法未来:この公園にはたくさんの木があるだろう。Habra' muchos a'rboles en este parque.(Habra'n ではない)
    接続法過去:この公園にたくさんの木があればいいのに。Ojala'que hubiera muchos a'rboles en este parque.(hubieran ではない)

    ここまでの説明でご納得いただけたと思いますが、「木が主語でないなら、木はこの文の何なんだ」ということが気にかかっていらっしゃるかもしれませんね。
    実はなんと、Hay muchos a'rboles. という文の muchos a'rboles は、動詞 haber の直接目的語です。

    Haber はもともと「…を持っている」という意味でした。今ではこの意味は完全に tener に譲られてしまいましたが。
    ですので、Hay muchos a'rboles. という文の元来の雰囲気は、「〔何とも言い難いその場の状況(無主語だから)〕が〔たくさんの木〕を〔持っている〕」というものです。
    こういう言い方で「たくさんの木がある」という意味を言い表しているのです。




投稿時間:2014/06/12(Thu) 11:51
投稿者名:水色
タイトル:Re^2: 線過去について

    木村琢也さん、はじめまして。

    回答を読んで、haberが無主語文となることをすっかり忘れていたことに気がつきました。
    分かりやすい説明をどうもありがとうございます。おかげでとても助かりました。
 

新聞見出しの解釈 El Comercio 13/May/2014

 投稿者:管理人補佐  投稿日:2015年11月13日(金)20時42分46秒
編集済
  投稿時間:2014/05/14(Wed) 22:53
投稿者名:平社員
タイトル:El Comercio 13/May/2014

    木村先生,いつもお世話になっております。
    お時間ございましたら解説をいただければと存じます。
    なお,文法書は上田博人先生の「スペイン語文法ハンドブック」(研究社)を使っております。

    昨日のEl Comercio紙の見出しより
    Se contemplan modificaciones a Ley de Segridad y Salud en el Trabajo.
    私訳「労働安全衛生法の改正が検討されている。」

    (1) このSe contemplan については,動詞が3人称複数(=modificacionesと一致)なので,seを用いた受動文と解釈しましたが,正しいでしょうか?

    (2) 一方,文法書には不定人称文として,主語を特定せず一般化する用法が記されております。
    例:Dicen que pasar debajo de una escalera trae mala suerte.
    (梯子の下を通ると悪運をもたらすと言われている。)
     例えば,上記の新聞見出し文からseを抜いて,
    Contemplan modificaciones a Ley de Segridad y Salud en el Trabajo.
    としても文としては成立するのでしょうか?(意味的には違ってしまうのかと思いますが)

    (3) 新聞とは離れますが,リマの町を歩いていると,家や車に「Se vende」と貼られているのをよく見かけます。これは「この家(車)売ります」との意味であるのはわかりますが,文法的にはこれも「受動文(Se vende la casa (el carro).)」として「この家(車)が売られています」と理解すれば良いのでしょうか?
    現に走っている車に「Se vende」の貼紙が貼られているのは,ユーモラスに感じます。




投稿時間:2014/05/20(Tue) 16:03
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re: El Comercio 13/May/2014

    非常に重要な文法事項に関するご質問です。

    > 昨日のEl Comercio紙の見出しより
    > Se contemplan modificaciones a Ley de Segridad y Salud en el Trabajo.
    > 私訳「労働安全衛生法の改正が検討されている。」
    >
    > (1) このSe contemplan については,動詞が3人称複数(=modificacionesと一致)なので,seを用いた受動文と解釈しましたが,正しいでしょうか?

    はい、その通りです。和訳も正確です。
    ただし、日本の新聞の見出しなら「労働安全衛生法の改正を検討」になるかな、という気もします。

    つまり、「改正が検討される」も「改正を検討する」も、文法的には確かに能動・受動の区別がありますが、事実上は同じことを言っているということです。

    特にスペイン語の<se + 動詞3人称>(動詞の数は動詞の直接目的語に一致)という構文は、意味的に能動なのか受動なのか判然としないことがあり、そういう場合はえてして「どっちでも大して変わらない」ということが多いものです。

    ちょっと別の話ですが、Esta ventana no abre bien.(この窓はうまく開かない)のような文を、能動態でも受動態でもない「中動態(voz media)」と説明するネイティブの文法家もいます。「あける」は能動で「あけられる」は受動だが、その中間だ、という理屈です。

    > (2) 一方,文法書には不定人称文として,主語を特定せず一般化する用法が記されております。
    > 例:Dicen que pasar debajo de una escalera trae mala suerte.
    > (梯子の下を通ると悪運をもたらすと言われている。)
    >  例えば,上記の新聞見出し文からseを抜いて,
    > Contemplan modificaciones a Ley de Segridad y Salud en el Trabajo.
    > としても文としては成立するのでしょうか?(意味的には違ってしまうのかと思いますが)

    文として立派に成立します。意味も Se contemplan... で始まる場合と大きく違うわけではありません。
    しかし、se がないほうが主語の存在が意識されます。
    私はノンネイティブなので当てになりませんが、Contemplan だと「検討している人たち(それがだれであるかは別として)」が、Se contemplan だと「法案の載った書類」が目に浮かびます。

    > (3) 新聞とは離れますが,リマの町を歩いていると,家や車に「Se vende」と貼られているのをよく見かけます。これは「この家(車)売ります」との意味であるのはわかりますが,文法的にはこれも「受動文(Se vende la casa (el carro).)」として「この家(車)が売られています」と理解すれば良いのでしょうか?
    > 現に走っている車に「Se vende」の貼紙が貼られているのは,ユーモラスに感じます。

    この場合、受動文という解釈と、<se + 3人称>の不定主語文という解釈の両方が可能です。そして、どちらか一方が正解でもう一方が誤りということではないのだろうと思います。

    私はスペインしか知りませんが、スペインの街角でも "Se vende"(売ります)、"Se traspasa"(譲ります…と言ってもタダではないので結局「売ります」と同じこと)、"Se alquila"(貸します)という張り紙をじつに頻繁に目にします。

    これもノンネイティブの私の直感なので正しいかどうかわかりませんが、強いて言うならば「売っています」と「売られています」の中間、「売り物です」ぐらいの感覚なのではないでしょうか。

    ちなみに、日本だったら "Se vende" は「売家」、"Se alquila" は「空室あります」または「テナント募集」でしょうか。
    走っている車なら「この車、売ります」ぐらいはっきり書かないとわからないでしょうね。滅多にないことなので。

    車に "Se vende" は私は写真でしか見たことがありません。やはりスペインではペルーほど一般的ではないのでしょう。




投稿時間:2014/05/21(Wed) 12:50
投稿者名:平社員
タイトル:Re^2: El Comercio 13/May/2014

    木村先生
    お忙しい中,ご回答をありがとうございます。
    とくに(2)について,Seを用いた受動文と不定人称分との間には,確固とした境界線がある訳ではないのだ,ということがわかり,却ってスッキリいたしました。また,中動態についても「このナイフはよく切れる」「この本は良く売れる」といった際の自動詞「cut」や「sell」と同様の意味上の雰囲気が感じられ,すんなり理解できました。
    感謝いたします。
 

新聞見出しの解釈 Gesti'on 28/Abr/2014

 投稿者:管理人補佐  投稿日:2015年11月13日(金)20時40分19秒
編集済
  投稿時間:2014/04/28(Mon) 23:42
投稿者名:平社員
タイトル:Gesti'on 28/Abr/2014

    本日のペルー経済紙「Gesti'on」の見出しは以下のとおりでした。

    "Empresas bajari'an sus costos hasta en un 20%"

    昨今のペルー景気情勢等から,「企業は20%までのコスト削減を行うであろう」という意味かと思いますが,hasta en un 20%の部分について解説いただければと存じます。
    ・"hasta 20%"では間違いなのでしょうか?
    ・20%に「un」という不定冠詞が付くのが奇異に感じるのですが,スペイン語ではこれが普通なのでしょうか?




投稿時間:2014/04/29(Tue) 08:59
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re: Gesti'on 28/Abr/2014

    とりあえず何も調べずに私がお答えできる範囲で書きます。

    ・パーセンテージの数値は、全体を男性単数扱いするのが普通です。Un がついたり el がついたりしますが、この文脈では(おそらく)初めて出る数値なので un が適切でしょう。

    ・「コストを20%削減する」は bajar sus costos en un 20% で、文法的に見ると sus costos が bajar の直接目的語、en un 20% が bajar を修飾する副詞句です。En のない bajar sus costos un 20% のような文も実際に見ることがありますが、やはり en があったほうが整った感じがします。

    ・この文では en un 20% の前にさらに hasta がついています。文字通り「20%まで」という意味かもしれませんが、「なんと20%までも」というニュアンスも感じ取れます。このへんは文脈を見ないと断言できません。

    時間があったら文法書に何か書いてあるか調べてみます。




投稿時間:2014/04/29(Tue) 10:26
投稿者名:平社員
タイトル:Re^2: Gesti'on 28/Abr/2014

    木村先生
    お忙しい中,解説いただきありがとうございます。パーセンテージの数値の扱い(全体を男性単数とする)は,文法書や辞書を探しても尋ね当たりませんでした。また,enの役割や,hastaの含意についても解説していただき,全体がすっきりとクリアになりました。
    こうした細かいところに潜むスペイン語の特徴をとても面白く思います。遅々として進歩の無い小生のスペイン語ですが,今後も楽しく学んで行きたいと思います。




投稿時間:2014/05/01(Thu) 12:54
投稿者名:木村琢也
タイトル:Re^3: Gesti'on 28/Abr/2014

    パーセンテージの数字が男性単数扱いされる件、実際にはかなり頻繁に目にするのですが、おそらくスペイン語国で出版された大きな本を見ないと出ていないのではないかと思います。私も経験的に学んだだけのような気がします。

    で、結局くわしい文法書を見ていないのですが、たまたまパーセンテージがたくさん出てくる記事を見つけました。
    http://www.inmobiliariamardelplata.com/notas/335/?pag=29

    マル・デル・プラタ(アルゼンチン)という観光地に思ったほど観光客が来てくれない、という話のようです。
    パーセンテージがすべて男性単数になっていることがよくわかります。




投稿時間:2014/05/02(Fri) 23:16
投稿者名:平社員
タイトル:Re^4: Gesti'on 28/Abr/2014

    なるほど,男性単数扱いですね。今日のペルーの他の新聞記事におけるパーセンテージに関する記載を見ても,すべて男性単数扱いとなっていました。
    ありがとうございました。
 

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